前回の自宅サーバ作業第4回より、自宅サーバ作業第3回にてインストールしたCentOSへ各種ソフトウェアをインストールし、ホームページを制作するための開発環境を整えていきます。
開発環境を整えるためにインストールするソフトウェアはWebサーバソフト「Apache」、データベース「MariaDB」、プログラミング言語「PHP」です。
これらの各種ソフトウェアとLinuxOS(CentOSはLinuxOSのうちの一つ)を合わせて、通称「LAMP(ランプ)環境」と呼ばれています。
自宅サーバ作業第5回では、WordPressの使用やWebアプリケーションの制作に備えて、データベース「MariaDB」の設定を行います。
※ゲストOSは既に起動している前提で作業を進めています。ゲストOSインストールおよび起動方法は自宅サーバページ過去回を参照ください。
目次
データベース(Database)は、あらゆるデータをまとめておくための基盤を指したものを言います。WordPressを例にしてみると、カテゴリー、タグ、記事、コメント、画像、動画、さらにはユーザ名やメールアドレスといったユーザ情報も全て一つのデータベースに格納されています。
MariaDBはそのようなデータベースを管理するシステムを実装するためのソフトウェアといった具合でしょうか。
なお、MariaDBは同様のソフトウェアであるMySQLの派生として開発されているため、MariaDBインストール環境でのデータベース設定作業時には「mysql」の文言がよく出てきます。
さて、WordPressにはデータベースが必要ということを承知した上で実際にMariaDBの設定作業に移っていきたいと思います。
MariaDBはCentOSインストール時に既にインストールされているかと思われますので、次のコマンドを入力してインストール確認もふまえたMariaDBのバージョン確認をしておきます。
mysql -V
「mysql Ver 15.1 Distrib 5.5.60-MariaDB, for Linux (x86_64) using readline 5.1」と返されました。
これでCentOSにインストールされているMySQLのバージョンは15、MariaDBのバージョンは5.5ということが分かりました。
※CentOSインストールディスクのリリースバージョンによって数値は変動すると思われますので、この記事でのバージョン数値は参考程度に留めておいてください。
なお、MariaDBがインストールされていない場合は、次のコマンドを入力するとインストールできます。
yum -y install mariadb mariadb-server
Apacheと同様にMariaDBのサービスを起動します。
systemctl start mariadb
MariaDBのサービス自動起動を設定します。これもApacheと同様です。
systemctl enable mariadb
インストール直後のMariaDBにはデータベースに接続する際に使用するパスワードが設定されていません。
ですので、パスワードを設定するため次のコマンドを入力します。
mysql_secure_installation
すると、設定項目がずらずらと流れてきますので順に入力していきます。
ちなみに、[Y/n]で答える質問では、何も入力せずEnterを押すとYes扱いになるようです。
Enter current password for root (enter for none): パスワードが設定されていない場合に限り、何も入力せずEnter (現在のパスワードを入力してください) Set root password? [Y/n] 何も入力せずEnter (ROOTパスワードを設定しますか?) New password: "新しいパスワード"を入力してEnter (新しいパスワードを入力してください) Re-enter new password: "新しいパスワード"を再入力してEnter (新しいパスワードを再入力してください) Remove anonymous users? [Y/n] 何も入力せずEnter (匿名のユーザーを削除しますか?) Disallow root login remotely? [Y/n] 何も入力せずEnter (ROOTのリモートログインを拒否しますか?) Remove test database and access to it? [Y/n] 何も入力せずEnter (テストデータベースを削除しますか?) Reload privilege tables now? [Y/n] 何も入力せずEnter (テーブルの権限を今すぐに更新しますか?)
最後に「Thanks for using MariaDB!」が表示されたら設定終わりです。
パスワードも設定し終わったので、実際にMariaDBに接続してみます。
mysql -u root -p
と入力したら、先ほどのパスワード設定で作成したパスワードを入力します。
「Welcome to the MariaDB monitor. ~~」などと表示されたら接続成功です。MariaDBに接続されている時は左側が以下のように変わっていることが分かります。
MariaDB [(none)]>
この後SQL文の記述を行いデータベースへの問い合わせを行なっていきますが、ここでは次のコマンドを入力してMariaDBの接続を解除します。
exit
接続を解除すると、左側の文言が「[root@localhost ~]# 」の表記に戻ります。
自宅サーバ作業第5回では、CentOSにインストールされているMariaDBの設定作業を行いました。
データベースは冒頭にも述べたようにあらゆるデータを格納しておくための入れ物の役割をしています。ですので、データベースそれだけではデータを登録することも登録したデータを閲覧したり更新したり削除したりすることはできません。
次回、自宅サーバ作業第6回では、Webサイト上からそれらの役割を担ってくれるプログラミング言語「PHP」をインストールしていきます。